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きんぞくにんげん

金属人間

海野 十三

「サイエンス」1947(昭和22)年12月~1949(昭和24)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 78,616 字 · 157 页

青空文庫

それから、どのくらいの時間が流れたかわからないが、蜂矢はようやく息をふきかえした。ずきずき頭が痛む。それへ手をやってみると大きなこぶができていた。血もすこし出ていた。しかしたいしたことではないようだ。

蜂矢はふらふらと起きあがった。

その気配を聞きつけたか、部屋の一隅から声があった。

「ああ、気がついたかね、蜂矢君」

「やッ」

蜂矢は、どきんとしてその声の方を見た、そこには針目博士がいた。博士は頭部にぐるぐると繃帯を巻いていた。その正面のところは赤く血がにじんでいた。

「安心したまえ、怪物は、とうとうくたばったからね」

そういって博士は、自分の前を指さした。そこには、れいの金属Qが倒れていた。

「死んだんですか」

「いや、まだ油断がならない。金属の本体を取り出して、始末しないうちは、ほんとうの意味で金属Qは死んだとはいえないのだ、今それを始末するところだ。きみは見物していたまえ」

そういって博士は前かがみになって、たおれた人の頭のところでごそごそやっていたが、やがてうす桃色をしたぐにゃりとしたものを両の手のひらにのせて、部屋のまん中へ出てきた。それは脳みたいなものであった。