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きんぞくにんげん

金属人間

海野 十三

「サイエンス」1947(昭和22)年12月~1949(昭和24)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 78,616 字 · 157 页

青空文庫

雨谷君は、とつぜん天眼鏡をひっこめてぽんと膝をうった。

「うふン。これはすばらしい金もうけが見つかったぞ。エジプト手相よりは、ずっともうかるにちがいない。二十世紀の奇蹟今様文福茶釜――ではない文福釜。……文福釜では弱い。そうだ文福茶釜二世あらわる。さあいらっしゃい。見料は見てからでいいよ、見ないは末代までのはじだ。得心のいくまでゆっくり見て、見料はたった三十円だ。写真撮影、写生、録音、なにしてもようござんすよ。いらっしゃい、いらっしゃい、というのはどうだ」

大学生雨谷君は、すっかり香具師になったつもりである。

さあ、彼の大金もうけの計画は、うまく成功するだろうか。それにしてもふしぎなのはその釜であった。いったいどんな秘密を、この釜が持っているのであろうか。

金属Qの謎

「どうかね。なにか手がかりをつかんだかね」

長戸検事は、役所へたずねてきた蜂矢十六探偵の顔を見ると、目をすばしこく走らせてそういった。

「あなたのお気に召さない、例の方面をほじくっているんですがね」

と、蜂矢探偵は検事の机の横においてあるいすに腰をおろして、にやりと笑った。

「ははあ、また“金属Q”の怪談か。