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かんちょうざじけん

間諜座事件

海野 十三

「日曜報知」1932(昭和7)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,989 字 · 21 页

青空文庫

既に一つ前の第五景「山賊邸展望台」で、残る二人のうち柳ちどりが判るのだから、あとの一人は第六景を見て確めずとも判る筈だった。――敵の副司令の断頭台はこの第五景で、切って放たれるのだ。

QX30笹枝弦吾は、歯を喰いしばって、喜びの色を押し隠したのだった。

8

弦吾の先走りしたチェックとは別に、先ず「フィナーレ」が開いて、たしかに例の義眼女を発見することが出来た。プログラムの上に※(丸2、1-13-2)と印をつけた。第二回目の登場という意味であった。

弦吾には、もう幕間もなんにもなかった。唯機の至るのが待ちあぐまれるばかりだった。「弥次喜多」が始まって、第一景。一座を率いる丸木花作と鴨川布助とが散々観客を笑わせて置いて、定紋うった幕の内へ入った。

いよいよ第二景。紅黄世子かどうか判ろうという機会が来たのだ。流石に胸が迫った。道頓堀行進曲も賑かに、花道からズラリと六人の振袖美しい舞妓が現れた!

(居ない、居ないぞ)

QX30は軽い吐息をした。

それからプログラムは進む。第四景には、残る柳ちどりと海原真帆子とが茶店娘となって確かに登場したと思われる。