轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いんえいらいさん

陰翳礼讃

谷崎 潤一郎

「経済往来」1933(昭和8)年12月号、1934(昭和9)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 31,020 字 · 61 页

青空文庫

と云うものの持つ柔かみと温かみに再び眼ざめた結果であり、それの方がガラスよりも日本家屋に適することを認めて来た証拠であるが、便器やストーヴは、今以てしっくり調和するような形式のものが売り出されていない。煖房は私が試みたように炉の中へ電気炭を仕込むのが一番いゝように思うけれども、かゝる簡単な工夫をすら施そうとする者がなく、(貧弱な電気火鉢と云うものはあるが、あれは煖房の用をなさないこと、普通の火鉢と同じである)出来合いの品と云えば、皆あの不恰好な西洋風の煖炉である。が、こう云う些末な衣食住の趣味について彼れ此れと気を遣うのは贅沢である。寒暑や飢餓を凌ぐにさえ足りれば様式などは問う所でないと云う人もあろう。事実、いくら痩せ我慢をしてみても「雪の降る日は寒くこそあれ」で眼前に便利な器具があれば、風流不風流を論じている暇はなく、滔々としてその恩沢に浴する気になるのは、已むを得ない趨勢であるけれども、私はそれを見るにつけても、もし東洋に西洋とは全然別箇の、独自の科学文明が発達していたならば、どんなにわれ/\の社会の有様が今日とは違ったものになっていたであろうか、と云うことを常に考えさせられるのである。