轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
「毎日新聞」1955(昭和30)年3月25日~8月15日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 140,106 字 · 283 页
そのかすり傷をもふくめて足にうけた打撲傷が兵六さんをうならせ、のろのろさせているというわけだ。その怪我を彼はわが家の近くでしたのである。今でこそ傷あともかわいているが、怪我したすぐあとの形相はよほどすさまじかったらしく、気強い彼の女房も、戸板にのせてかつぎこまれた時にはおろおろした。兵六さんの顔は血まみれだったのだ。
「おとうさん、しっかりして!」
娘の二三子もしんけんな声ですがりついた。そんな妻や子の様子を、その時の兵六さんは身にしみる思いでかみしめながら、やっぱり親子だと涙ぐんで感激したのだったが、医者がきて、大したことでないのがわかると、おせいも二三子もすぐ態度がかわってしまった。
「人さわがせったら、ありゃしない、ほんとに。はずかしくて、近所へ顔むけもできやしない。」
おせいがぶうぶういうのはまだよいが、二三子ときたら、戸板にとりすがった情熱を裏がえしにしたようなことをいった。
「おとうさんて、ほんとに、あきれかえって、ものもいえないわ。男のくせに、大げさったら、鼻血ぐらいで戸板にのってくるなんて、けいべつするわ。いやったらしい――」
すると兵六さんは、母親にしかられていいわけをする子供のような気弱さでいいわけをする。