轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ざっきょかぞく

雑居家族

壺井 栄

「毎日新聞」1955(昭和30)年3月25日~8月15日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 140,106 字 · 283 页

青空文庫

」

「なに、いってんの。」

「だって、おじさんにたのんであったのにさ。わたし、そういうふんいき、みたかったのよオ。」

「じゃあ、早く帰ればいいのに。」

早く帰ったところでそんなわけのものではないと知っていながらそういうと、

「あらあ、くやしい。早く帰ってたのよ。きょうはあぶれてずっと進くんとこにいたんだもん。」

わるびれもせずにいう浜子に、音枝の方があかくなった。いつかのやみ米問答のとききこえてきた押えたような女の笑い声、あれもやっぱり浜子だったのかと、いやな気がした。進君の部屋からならば、庭の方から出入りが出来るし、浜子はこれからもそうするだろうと思うと、そんな勘ぐりまでする自分に、音枝は悲しくなった。

しかし音枝は、そんな気持をせい一ぱいに押えて、

「ごはんは? 浜ちゃん。」

すると浜子の方は何かを感じでもしたようにわざとらしく、

「進くんとこでごちそうになったわ。――でもまずかった。うちのおかずなあに。」

あきれている音枝に、浜子はたたみかけて、

「一ぜん食べようかしら。おこうこでお茶づけがほしいの。例の、ある?」

それは、夜のおそい文吉や安江のかんたんな夜食のために用意しておく、かきもち入りののり茶のことだった。