轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
「毎日新聞」1955(昭和30)年3月25日~8月15日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 140,106 字 · 283 页
」
女たちはそれぞれの思いでだまった。しかしそれでおさまるとはお互に思っていない様子だった。
おせいがもどってきたのは翌朝だった。半日を一しょにすごしていると、ひだにかくれて見えなかった部分もわかってきて、ことにおせいはきげんがよい。ほうき屋だとばかり思っていた兵六さんの商売が更に発展していたのも気をよくした一つで、お昼にはわざわざ夫のためにやわらかな飯をたいたりした。二三子だとててれかくしにむくれてはいたが、いつのまにか兵六さんのたばこにマッチをすってやり、ついでに一本とったりしていた。はからずも浜子の果した役割だとはだれも気づいていない。ただ浜子ひとりが、ひとりだった。しかしそんなとき、思いがけず、例のとびらがたたかれ、ひとりでないことを知らした。浜子は涙が出るほどうれしく、自分を大切に思おうとした。
「わたし、産婆さんへ、いってきます。」
大っぴらにいって出かけたすぐあとへ、安江がやってきた。音枝も一しょだった。浜子の夏のきものをもってきたのだった。兵六さんの六畳の部屋は満員になった。商品のコップをとり出して、サイダーがつがれた。それをのみながら、浜子の事情を聞かされたとき、安江はコップをとり落さんばかりに驚いた。