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りこんについて
離婚について
宮本 百合子
「女性の歴史」1948(昭和23)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,587 字 · 15 页
結婚の自由と民法がいっても、現実に住居のないこと、月給の少いこと、戦争によって多くの家庭は新しい扶養者をもたざるを得なくなっていることなどで、自由な結婚はなかなか出来ない。全逓の従業員組合は、十数万の結婚適齢従業員のために、結婚資金を要求した。生きて働いてゆく給料さえ出さない政府が、どうして結婚資金までを出すだろう。共稼ぎで働かなければならない婦人も、職場の古くさいものの考えかたや、母性保護施設のないことから、やはり結婚とともに職をしりぞく率が非常に多い。こうして、働く意志のある婦人も、「家庭の主婦」という位置に追いこまれる。その人々は組合をはなれてしまって、最も孤立した、組織を全くはなれた「妻」になってしまう。夫の組合は、家庭手当と家族慰安会のなかで、妻の存在に関係するばかりである。
そもそも、結婚にこういう現実のくいちがいがある。このことは、離婚が、婦人にとって簡単に「人間の尊厳」を守ることにならないきょうの現実を、私たちの前に切開して示している。「人間的な尊厳」に立って自由に離婚したとしても、それからさきの生活をちゃんと自由に建設してゆく社会条件が婦人にひらかれていない場合、どういうことになるだろう。