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りこんについて
離婚について
宮本 百合子
「女性の歴史」1948(昭和23)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,587 字 · 15 页
のようでさえある。今日、産児制限は、優生学の立場からというよりは、むしろ民族の屈辱の一つとして、自主の策は何一つもたない今日の権力に対する母性の憤りの一つの対象としてあらわれているとさえいえる。
離婚の自由が婦人にも認められ、民法はそれと同時に、離婚した婦人の経済的援助も含めている。このことは、しかし、本当に婦人にとって「個人の尊厳」を守れる社会的経済的土台があることを意味しているだろうか。
婦人に離婚の自由が認められた、ということは、特にこれまで隠忍をつづけている、日本の女性にとっては、何か復讐的な快感であるかもしれない。妻に向って「出てゆけ」という言葉は、これまでのように、出てゆけば明日から路頭に迷わなければならないものに向って云われる、おどかしの言葉ではなくなった。出てゆけ、という一言には、出てゆかせるものの責任が示されて来たのである。
けれども、それくらいのことで、本当に日本の社会で、婦人の結婚と離婚の自由は、人間としての尊厳を完くする力となるのだろうか。
大体、日本の最近の離婚の原因が、家庭経済の破綻にあるのが多いということに、私たちは注目しなければならない。