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あめのたまがわしんじゅう

雨の玉川心中

山崎 富栄

01 太宰治との愛と死のノート

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 63,997 字 · 129 页

青空文庫

十一月二十一日

お父さまの御返事が、わたしを惨めにさせないようにと祈っております。

十一月二十日

富栄拝

お父さま

お母さま

追伸

師走の風がついすぐそこまで吹いてまいりました。お体くれぐれも御大切になさって下さいませ。わたしはこれをお読みになる御両親の御姿を思い浮かべながら、毎日御返事を待っております。このことは、わたしにまかせて下さいませ。

十一月二十一日

いつものように御仕事におみえになる。

ここ四、五日前から御洋服。「デブちゃんなんだよおー」とおうわさになっていた小説新潮の女のかたもおみえになる。

井伏先生と、御一緒に写されてある御写真を拝見する。私も欲しいわ。

三時近くになると、お体の調子も、御疲れになられるせいか「まだ三時か――」などと仰言って、お仕事なさっていられる。

御酒がお飲みになりたい?

この間は喀血なさったし、あまりかんばしいお体ではないんだけど。アダリンと膏薬を買ってくる。

「昨日の朝ね、胸を開いて寝てたんだ。そしたら、里子ちゃんは幸せね、羽左衛門と一緒に寝られて――って女房が来ていうんだ」

妙布の貼り工合が変わっていらしたから。

お仕事の方は、私には分からないので、毎日心配しながら、おそばで用事をしているのだけれど、「とてもよく書けるんだよ」