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ゆきだるま
雪だるま
小川 未明
「小学少年」1923(大正12)年1月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 2,203 字 · 5 页
いいお天気でありました。もはや、野にも山にも、雪が一面に真っ白くつもってかがやいています。ちょうど、その日は学校が休みでありましたから、次郎は、家の外に出て、となりの勇吉といっしょになって、遊んでいました。
「大きな、雪だるまを一つつくろうね。」
二人は、こういって、いっしょうけんめいに雪を一処にあつめて、雪だるまをつくりはじめました。
そこは、人通りのない、家の前の圃の中でありました。梅の木も、かきの木も、すでに二、三尺も根もとのほうは雪にうずもれていました。そして、わらぐつをはきさえすれば、子供たちは圃の上を自由に、どこへでもゆくことができたのであります。
頭の上の空は、青々として、ちょうどガラスをふいたようにさえていました。あちらこちらには、たこがあがって、籐の鳴り音が聞こえていました。けれど、二人は、そんなことにわき見もせずに、せっせと雪を運んでは、だるまをつくっていました。昼前かかって、やっと半分ばかりしかできませんでした。
「昼飯を食べてから、またあとを造ろうね。」
二人は、こういって、昼飯を食べに、おのおのの家へ帰りました。そして、やがてまた二人は、そこにやってきて、せっせと、雪だるまを造っていました。