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ゆきのうえのおじいさん
雪の上のおじいさん
小川 未明
「童話」1922(大正11)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,520 字 · 14 页
「なんだろう……。」と、おじいさんは、目をみはりました。その提燈は、赤に、青に、紫に、それはそれはみごとなものでありました。
おじいさんは、この年になるまで、まだこんなみごとな行列を見たことがなかったのです。これはけっして人間の行列じゃない。魔物か、きつねの行列であろう。なんにしても、自分はおもしろいものを見るものだと、おじいさんは喜んで、見ていました。
すると、その行列は、だんだんおじいさんの方へ近づいてきました。それは、魔物の行列でも、また、きつねの行列でもなんでもありません。かわいらしい、かわいらしいおおぜいの子供の行列なのでありました。
その行列はすぐ、おじいさんの前を通りかかりました。子供らは、ぴかぴかと光る、一つの御輿をかついで、あとのみんなは、その御輿の前後左右を取り巻いて、手に、手に、提燈を振りかざしているのでした。おじいさんは、だれが、その御輿の中に入っているのだろうと思いました。
このとき、この行列は、おじいさんの前で、ふいに止まりました。おじいさんは不思議なことだと思って、黙って見ていますと、今日、町で道に迷って、公園の前で泣いていた子供が、列の中から走り出ました。