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ゆきのふったひ
雪の降った日
小川 未明
「お話の木」1938(昭和13)年2月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,110 字 · 11 页
雪が降りそうな寒い空合いでした。日も射さなければ、風も吹かずに、灰色の雲が、林の上にじっとしていました。葉のついていないけやきの細い枝が煙って見えるので、雲と木の区別がちょっとわからないのでありました。
「泣き出しそうな空ね。」と、かよ子ちゃんがいいました。
「ほんとうだわ。私、こんな日がきらいよ。」と、ふところ手をした竹子さんも、いいました。男の子たちとはなれて、二人は、並んで空をながめていました。
「もっとなにか持っておいでよ。火がなくなってしまうじゃないか。」
重ちゃんの兄さんが、棒の先で、たき火をつついていました。青い煙が自分の方へ流れるので、顔をしかめています。
年ちゃんは、走っていって、どこからか米俵の空いたのを下げてきました。原に捨ててあったとみえて、俵は霜でぬれていました。
「待った、待った。そんなのを入れると、すぐ火が消えてしまう。よくここで、乾かしてからでないとな。」と、ブリキ屋のおじいさんがいいました。おじいさんは、自分で木くずを拾ってきました。このあいだまで大工たちが、ここで他所へ建てる家の材木を切り込んでいたのでした。ここは、町裏の原っぱであります。