轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ゆきま

雪間

久生 十蘭

「別冊文藝春秋 第五十六号」1957(昭和32)年2月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,817 字 · 24 页

青空文庫

三

て、自分だけに同情を集めようという二重の策略なの……すっかりコキュ気取りで不貞な妻に冷酷な取扱いを受けているなんて、ほうぼうで触れまわしているらしいの。感きわまって泣きだしたりすることがあるんだって……いくらか正体がわかりかけてきたけど、ヘラヘラ笑ってばかりいて捉えどころがないでしょう。いまなにを考えているのかと思うと、ぞうっとすることがあるわ」

三

十月十三日の夜から、紅葉があるのに雪が降りだした。朝の八時すぎ、一時間ほど雪間があって陽が照ったが、間もなくまた降りついで大雪になった。箱根では例年より十一日早く雪がきたわけだったが、小涌谷や蘆ノ湯にいた客はふるえながら塔ノ沢や湯本へ移った。

十四日の朝、ちょうど雪間にあたるころ、滋野光雄が交通事故で死んだ。強羅から車で宮ノ下まで降りる途中、道路から飛びだして谷底まで一気に落ちこんだというようなことだった。

伊沢はホテルのフロントでその話を聞いた。すぐ笠原の別荘へ電話をかけると、旦那さまは昨夜東京へ、奥さまは小田原へお下りになったという返事だった。

午後二時ごろ、小田原の警察署から電話があった。

「私は署長ですが、伊沢次郎というのはあなたですか。