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でんぽう

電報

黒島 伝治

在线阅读黒島 伝治《電報(でんぽう)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,388 字 · 13 页

青空文庫

」と源作はむし/\した調子で答えた。

「そう。……けど、早や皆な知って了うとら。」

「ふむ。」と、源作は考えこんだ。

源作は、十六歳で父親に死なれ、それ以後一本立ちで働きこみ、四段歩ばかりの畠と、二千円ほどの金とを作り出していた。彼は、五十歳になっていた。若い時分には、二三万円の金をためる意気込みで、喰い物も、ろくに食わずに働き通した。併し、彼は最善を尽して、よう/\二千円たまったが、それ以上はどうしても積りそうになかった。そしてもう彼は人生の下り坂をよほどすぎて、精力も衰え働けなくなって来たのを自ら感じていた。十六からこちらへの経験によると、彼が困難な労働をして僅かずつ金を積んで来ているのに、醤油屋や地主は、別に骨の折れる仕事もせず、沢山の金を儲けて立派な暮しを立てていた。また彼と同年だった、地主の三男は、別に学問の出来る男ではなかったが、金のお蔭で学校へ行って今では、金比羅さんの神主になり、うま/\と他人から金をまき上げている。彼と同年輩、または、彼より若い年頃の者で、学校へ行っていた時分には、彼よりよほど出来が悪るかった者が、少しよけい勉強をして、読み書きが達者になった為めに、今では、醤油会社の支配人になり、醤油屋の番頭になり、または小学校の校長になって、村でえらばっている。