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でんきかんばんのしんけい
電気看板の神経
海野 十三
「新青年」博文館、1930(昭和5)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,480 字 · 29 页
これまでの日本人には大変科学知識が欠けていたし、今でも科学知識の摂取を非常に苦しがっている。だが、若い日本人には、科学知識の豊富なものが随分と沢山できてきた。少年少女の理科知識に驚かされることが、しばしばある。若い男子や女子で、工場で科学器械のお守りをしながら飯を食っているというのがたいへん多くなってきたようだ。若い人々にとって科学知識は武器である。彼等はなにか事があったときに、その科学知識を善用もするであろうが、同時にまた悪用の魅力にも打ち勝つことができないであろう。実際彼等のあるものから見れば殺人なんて、それこそ赤ン坊の手をねじるより楽なことなのだ。しかし彼等のそうした科学的殺人事件が、あまり世間に報導せられないわけは、一つには彼等は殺人の容易なることは知っていても、殺人の興味がないし、その味をも知らないことに原因する。また二つにはその方法処置が完全で、犯行の全然判らない点もあるし、たとえ判ったにしても犯人たるの証拠が全然残されていないことにも原因するのだ。……
いや、莫迦に「論文」を述べたてちまったが、実は、この論文の要旨は、僕の頭の中に浮びあがる以前に、これから話そうという「電気恐怖病患者」