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でんきばと

電気鳩

海野 十三

「幼年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1937(昭和12)年8月~1938(昭和13)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,465 字 · 52 页

青空文庫

あやしい鳩

高一とミドリのきょうだいは、伝書鳩をかっていました。

もともとこれは、お父さまがかっていらっしゃる鳩なのですが、お父さまがある大切なご用で、とおいところへお出かけになってからは、二人のきょうだいが世話をしているのです。

鳩はみんなで十羽いました。半分は金あみをはり、半分は板をうちつけて作ってある鳩舎のなかに、かってあるのです。鳩舎は、お家のうらの丘のうえにおいてありました。鳩は、とてもよくきょうだいになついていました。

そのなごやかな鳩のむれが、どうしたことか、ちかごろなんとなくおちつかないようすです。きょうだいが気をつけていますと、たしかにへんです。ふだんならば、鳩たちは一日中鳩舎のまわりに、なかよく、くうくうとないているのですが、それがときどき、にわかに羽ばたきもあらあらしく、いっせいに空にまいあがってさわぎます。はては、お家の屋根につばさをおさめて、おちつかないようすで、あっちへいったりこっちへきたり、きょろきょろと、下をうかがっているのです。鳩たちはどうしておちつかなくなったのでしょう。

その日もゆうがたのことでしたが、鳩たちは空にいりみだれて大さわぎをはじめました。