轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
つゆのこたえ
露の答
ぬばたまのなにかと人の問ひしとき露とこたへて消なましものを
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,237 字 · 14 页
私たちは茶の間にいた。男は土間の中央に薪木を投げだして鉈をふるいはじめたのですが、薪木を切断するという豪快な作業ではなく、片腕の上下運動によって間断なく薪木を叩くというキツツキのような作業でした。
すると夫人は男に向って、昨日は大きな丸太を割りもせず、おまけに濡れたのを差込むものだから燻って目も開けていられなかった、今日は良く乾いていますか、濡れた薪木と乾いた薪木の区別ぐらいは御存知でしょうね、と頭上から叱言を浴せますが、男は平然たるもので返答もなくキツツキの作業をつづけております。そんなに忙しくコツコツと叩いて指を切りますよ。どの指がなくても不自由ですのに、指はあとから生えません、そんなに忙しく叩いても切れるものですか、もっと落付いて一撃に、ホラ、木が飛んだ、お叱言はキリもなく続きますが、男は風馬牛、自らの流儀をあくまで墨守して熱闘十分間薪木を切り終ると今度はそれを抱え去って風呂の火をたきつけています。之が当主の太郎丸氏でした。当主は私用専断によって下男を数日の旅行にだした、あなたが勝手にしたことですからお風呂はあなたが焚いて下さい、こう捩じこまれて正論に抗すべき詭弁の立てようもないから、太郎丸氏は無念ながら風呂をたきつけているのです。