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あおいいしとメダル
青い石とメダル
小川 未明
「婦人倶楽部」1932(昭和7)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,652 字 · 8 页
勇ちゃんは、知るかぎり、クロのりこうなことを話しました。
「そりゃ、クロという犬はりこうなんですよ。僕とならいっしょについてゆきますけれど、ほかの人には、ついてゆかないのです。僕といっしょでも、すこし遠くへゆくと、さっさと独りで帰ってしまいます。自分に、鑑札がないということを知っているんですね。」
こう、いいますと、お父さんは、うなずきながら、きいていられましたが、
「おまえのいうとおりです。しかし、そのクロばかりでありません。すべて野犬はりこうなものです。だれも、保護してくれるものがないから、自分の気を許さないのです。そして、生まれから、野で育った犬は、家へつれてきてもいつくものではないから、うちで飼うなどと考えずに、おまえが、かわいがってやれば、それでいいのです。」と、お父さんは、論されました。
なるほど、いつかないということが、勇ちゃんにもわかったから、このうえ無理にお父さんにお願いしても、むだだと悟ったのでした。
「しかし、犬ころしに見つかったら、つれていってしまわれるだろう……。」と思うと、どうしたらいいだろうかと気をもんだのでした。
晩に、森の方で犬のなき声がしたり、昼間でも、犬がやかましくほえて、あたりがなんとなく騒がしく感ぜられると、犬ころしが、やってきたのでないかしらん、そして、クロが、つかまっ