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あおいくさ

青い草

小川 未明

「教育行童話研究」1938(昭和13)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,244 字 · 7 页

青空文庫

」と、お母さんはいいました。

「そうすれば、僕、田舎の学校へ上がるの。」と、義坊が、ききました。

「おまえも田舎の子になるのよ。山へいったり、野原をかけまわったりして、きっとじょうぶになりますよ。とし子は、もうあと二年ですから、卒業したらお裁縫でも習えばいいと思います。」

父親はだまって考えていたが、

「できるなら、子供たちをこのまま、こちらで勉強さしてやりたいものだな。」といいました。

「あなた、それができるようなら、これに越したことがありませんけれど、そのお体でこの先どうしてやっていけますか?」

母親は、自分になんの力もないのを、面目なく思ったのです。

「なに、私にだってすこし考えがある。」

父親はさびしく笑いながら、二人の子供のいる方を向いて、

「おまえたちは、お母さんの田舎へ帰ったほうがいいか、それとも、こちらで、いくら不自由をしても暮らしたほうがいいか、どちらがいいかな?」とききました。

もうまったくの子供ではなく、いくらかもののわかるとし子は、この際いかに負けぬ気であっても、それはむだなことと思いました。それよりか、お母さんのおっしゃるように田舎へ帰って、自分はどんな手助けでもするから、一家のものが、無事に暮らしていけることを願ったのでした。