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『しゅっけとそのでし』のついおく
青春をいかに生きるか
倉田 百三
倉田百三『青春をいかに生きるか』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『出家とその弟子』の追憶、愛の問題(夫婦愛)、学生と教養、学生と生活、学生と先哲、学生と読書、女性の諸問題、人生における離合について、婦人と職業、芸術上の心得。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 94,413 字 · 190 页
学生と教養
一 倫理的な問いの先行
何が真であるかいつわりであるかの意識、何が美しいか、醜いかの感覚の鈍感な者があったら誰しも低級な人間と評するだろう。何が善いか、悪いか、正不正の感覚と興味との稀薄なことが人間として低卑であることはそれにもまして恥じねばならぬことである。人の道、天の理、心の自律――近くは人間学的倫理学の強調するような「世の中の道」にまでひろがるところの一般の倫理的なるものへの関心と心得とはカルチュアの中心題目といわねばならぬ。人生の事象をよろず善悪のひろがりから眺める態度、これこそ人格という語をかたちづくる中核的意味でなければならぬ。私はいかなる卓越した才能あり、功業をとげたる人物であっても、彼がもしこの態度において情熱を持っていないならば決して尊敬の念を持ち得ないものである。その人生における職分が政治、科学、実業、芸術のいずれの方面に向かおうとも、彼の伝記が書かれるときには、あのワシントンのそれのように、小学校の教科書には「彼は偉大にして、善き人間なりき」と書かれるようにありたいものである。自分如きも、青春期、いのちの目ざめのときの発足は「善い人間」