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『しゅっけとそのでし』のついおく

青春をいかに生きるか

倉田 百三

倉田百三『青春をいかに生きるか』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『出家とその弟子』の追憶、愛の問題(夫婦愛)、学生と教養、学生と生活、学生と先哲、学生と読書、女性の諸問題、人生における離合について、婦人と職業、芸術上の心得。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 94,413 字 · 190 页

青空文庫

嫌悪すべき壮年期が如何に人生のがらくたを一杯引っくり返してあらわれてこようとも、せめて美しく、清らかな青春時代を持たねばならぬ。ましてその青春を学窓にあってすごし得ることは、五百人に一人しか恵まれない幸福である。それは学生諸君が自分で気のつかない実に大きな幸福であって、学びつつある姿勢の下で、かつ想いかつ恋し得ることは、この人生における天国ともいうべきものなのである。清らかな、熱き恋をしなければならぬのは当然な義務である。汚れた快楽など思うべきものではない。

学生時代に汚れた快楽に習慣づけられた青年の行く先きは必ず有望なものでない。それは私の周囲に幾多の例証がある。社会的にも、人間的にも凡俗に堕ちて行っている。その原因は肉体的快楽を知ることによって、あまりに大人となり、学窓の勉強などが子どもじみて見え、努力をつみ重ねて行く根気を失うところにあるのだ。努力をあまりつまずして具体的効果を得たいという、最もいとうべき考え方の傾向が必ずそれについで起こるものだ。そしていうまでもなく、社会はそうした傾向に対して最も冷淡に報いるものだ。彼らが社会的に輝やかしい地位をかち得ないのは当然である。