轻松读懂日语经典作品
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せいどうのキリスト
青銅の基督
長与 善郎
――一名南蛮鋳物師の死――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 66,703 字 · 133 页
「ほうら。ありましたがな、こんなところに。やはりあなたご自分でおしまいになったんですわ。」
細君はうれしさのあまり長い白い脛をちょっとあらわして、束になってくずれている錦絵をまたぎ、安心とうらめしさとがいっしょになって堅くなった表情を向けながら一枚の絵を夫に渡した。そして「いつだってこうなんですの。」とややとげとげしくいって、そのとげとげしさにぽっとあからんだ笑顔を裕佐に見せ、チラリとまた夫を顧みて、次の間へ立ち去った。
「あったか。」孫四郎は受け取りながら一言こういって、大事そうにフッと一息かけ、
「ここへ来てごらん。ここの方がまだ明るい。」
といいながらその絵をサラリと敷居の上へなげ、飲み残しの冷たい茶をゴクリと一息にのむと今度は眼鏡の球を袖口でこすりながらのぞき込むようにじろりじろりと裕佐の顔を視入るのだった。
諏訪神社の縁日に虎の見世物が出て、非常な人気を博したことはついその十日ほど前のことであった。孫四郎の絵ではその虎の檻が街頭に引き出されている。「朝鮮大虎」「大入り大入り」「大人一文小児半文」と書いた札を背にしてしきりに客を呼んでいる男が一方にいる。