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おんがくのみんぞくせいとふうし
音楽の民族性と諷刺
宮本 百合子
「フィルハーモニー」1940(昭和15)年7・8月合併号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,445 字 · 7 页
偉大な作曲家たちの精神のなかで、諷刺の本能はどんなに半醒の状態におかれていたのだろう。過去の雄々しい作曲家たちが、平民の生れで、諸公たち、諸紳士淑女たちの習俗に常に居心地わるがりながら、しかも僅に、その諸公、諸紳士淑女をもよろこばせる範囲の諧謔に止っていたのだとすれば、明日の作曲家たちの宇宙は、この方面にも勇ましくひろげられて行くはずなのではないだろうか。ティムパニーが、浄らかな諷刺の哄笑で鳴りわたるよろこびは、歴史とともにいつの日にか期待されていいのではないだろうか。〔一九四〇年七・八月〕