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ふうりゅう
風流
「新潮 第四八巻第十三号」1951(昭和26)年12月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,419 字 · 19 页
強制次第でどれほど大きな変化にも遠い距りにも不都合なく移り得、安住し得て、そして全く変化も距りもない心境をたのしむことができるのである。
風流とは、文化であるか。さァ、どうでしょうか。
この皿に鯛がある気持。その鯛を食べた気持。風流とは、そんなものだ。その気持の説明がいかに複雑難解をきわめても、それが果して文化であろうか。
文化とは、要するに、実際に鯛を食べる生活が地盤でなければならぬものだ。それがうまいか、まずいか、という銘々の自由で偽らぬ判断が文化の出発であろう。鯛を食べた気持、という心境の解説がいかに複雑であろうとも、そんな文化はありはせぬ。
文化は感官に直接な生活上のものであろう。文化は銘々の物でもある。銘々の慾念が銘々の生活を改善する。己れの欲するものを欲し、欲せざるものを拒む自由は万人の物でなければならぬ。それを基礎にして衣食住の改善発明も行われるし、業務や責任や道徳も生れる。それが文化であろう。
己れを空しゅうして常に強制に服する用意の完備した風流に自主的な改善や進歩はない。間に合わせ方の工夫ぐらいで、要するに廃物利用の巧拙のようなもの。