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うえたるひゃくしょうたち
飢えたる百姓達
今野 大力
「文芸戦線」1930(昭和5)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,590 字 · 4 页
息子は御用聞きをして手足を凍傷にし
娘は躯をくさらして病院に閉じこもり
親父は炭焼小屋で声もなく圧死する
「儲けなんぞどこに転がってけつかるんぞい」
残された女やもめは焚火の煙りと泣き明しに
ただくさった両眼をしばたたき
幼い子供に藁沓を穿かせ左と右へ――
背では赤ん坊が声を枯らしてあえぎ泣き
村には彼女達を養う余力もない。
雪道には橇跡
橇跡には馬糞の凍塊
「馬糞はまさかいびって食うことも出来まいし」
「雪じゃまた腹がくつくなることもあんめい」
「澱粉の三番粉でも雪の下から掘っくり返して喰うたらいいぞ」
「豚こであんめいし喰われっか!」
「何言ってやがるんだい人間だぞよ、地主の畜生奴ら!」
投げつける血べとのような呪咀!
いくじなしは世の楽しさも知らない子供を道連れに
鉄道線路でへたばり殺された
田舎街への踏切は一面の血しぶきに染められ
染められた血潮は雪で埋められた。
草色服に真赤い兵隊帽
青年訓練所生徒
「若けい野郎児ら鉄砲担いでどこぞへ?
戦争でもおっ初まったかよ
そしたら兄んさもとられっぺし
誰ば殺そとて弾丸こめるかよ
ロスケかアメリカか支那兵か騒動か」
「婆さん待ってけれ
お前の婿あタマ除けでない