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あめチョコのてんし
飴チョコの天使
小川 未明
「赤い鳥」1923(大正12)年3月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,597 字 · 10 页
なかには、早く青い空へ上ってゆきたいと思っていたものもありますが、また、どうなるか最後の運命まで見てから、空へ帰りたいと思っていたものもあります。
ここに話をしますのは、それらの多くの天使の中の一人であるのはいうまでもありません。
ある日、男が箱車を引いて菓子屋の店頭にやってきました。そして、飴チョコを三十ばかり、ほかのお菓子といっしょに箱車の中に収めました。
天使は、また、これからどこへかゆくのだと思いました。いったい、どこへゆくのだろう?箱車の中にはいっている天使は、やはり、暗がりにいて、ただ車が石の上をガタガタと躍りながら、なんでものどかな、田舎道を、引かれてゆく音しか聞くことができませんでした。
箱車を引いてゆく男は、途中で、だれかと道づれになったようです。
「いいお天気ですのう。」
「だんだん、のどかになりますだ。」
「このお天気で、みんな雪が消えてしまうだろうな。」
「おまえさんは、どこまでゆかしゃる。」
「あちらの村へ、お菓子を卸しにゆくだ。今年になって、はじめて東京から荷がついたから。」
飴チョコの天使は、この話によって、この辺には、まだところどころ田や、圃に、雪が残っているということを知りました。