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しゅせきとばっせき
首席と末席
佐々木 邦
「雄弁」大日本雄辯會講談社、1927(昭和2)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,378 字 · 15 页
スカンジナビヤの神話には十三人の神人が一緒の食卓に坐って、その中ボールダーというのが殺されます。諸君はカーライルの英雄崇拝論を読んでいるでしょう?」
「はい、去年読みました」
「カーライルはオジンを神人として論じています。ボールダーはあのオジンの子です。後から復活しますが、悪魔のロキイが割り込んで食卓を十三人にした為めに禍を蒙ったのです。基督の最後の晩餐が十三人だったことは諸君も能く御存知でしょう。何うも十三という数はいけません。巴里では昔から町の番地や室の番号から十三を省いています。アメリカにも然うしているところがあります。諸君の教室や寄宿舎の室がA室B室C室になっているのも不吉な数を避ける苦心に外なりません。十三は確かに致命数です。そこで私は諸君の将来の為め又学校の前途の為めに十三人の卒業生は出したくないと思っています」
「おや/\、変なことを言うぜ」
と一同は驚いて、
「しかし、しかし先生、十三人いれば何うしたって十三人卒業するじゃありませんか?」
と伺いを立てた。
「いや、一人を原級に留めます」
「点数のあるものに見す/\落第をさせるんですか?」
「いや、一番末席の方に犠牲になって戴きます。