轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
こうだいじ
高台寺
宮本 百合子
「新潮」1927(昭和2)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,503 字 · 14 页
「猿公、旦はんどこへ行かはったか知らんか」
と訊いている。――
絵物語の女が桃龍自身の通り大きな鼻をもっているところ、境遇的な感じ方で描くところ、若い女らしいものが流露していてそれが桃龍だけに、ひろ子は可憐な気がした。
「さ、あて着物かえさしてもらお」
隈を自分の顔に描いて遊んでいた里栄が立ち上った。
「あても――」
二人は隅で帯を解き始めたが、いきなり里栄が、端折をおろした裾を引ずって、章子のそばへよって来た。
「なあヘェ、ゲンコツぁん、ええことして遊びまほ。――立ちいおしやす」
「何するのや」
「おとなしゅうして、あてらにまかしといやしたらええにゃわ」
桃龍が云いながら章子をつらまえ、着ている褞袍をむきかけた。
「これ! 怪体なことせんとき」
章子はあわてて胸元を押えた。
「ふあ! 様子してはる――」
大騒ぎで褞袍を脱がせ、それを自分が羽織ったなりで里栄は今まで着ていた長襦袢を先ず着せ、青竹色の着物を着せ、紅塩瀬に金泥で竹を描いた帯まで胸高に締めさせられた章子の様子には、ひろ子も腹をいたくした。
「なんえ、これ! かわいそうな目に会わさんといとくれ、頼むぜ」
「黒人の花嫁! 黒人の花嫁!」