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うおとはくちょう
魚と白鳥
小川 未明
「童話」1924(大正13)年3月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,956 字 · 8 页
」
みんなは、不思議な空の光に、感心しましたけれど、その光は、寒く、なんとなくすごかったのであります。
みんなは、怖ろしくなって、また、水の底に沈んでしまいました。
「お母さん、もう春になったんでしょう。あんなに、水の上が明るいもの、僕、みんなと上へいったら、空に、頭を打ちつけてしまった。」と、子供はいいました。
すると、母親は笑いました。
「まだ、春にはならないのだよ。そして、頭を打ったのは、空ではありません。空は、それはそれは高いところにあって、人間でも、そこまではいかれないのです。おまえの頭を打ったのは、氷ですよ。あまり寒いので、水の面が氷っているのです。」といいました。
子供は、これを聞くと、がっかりしました。それから、どんなに、春のくるのを待ち遠しく思ったことでしょう。
しかし、ついに、春がやってきました。
ある夜、頭の上が、いつになく、明るく、青白く見られたのでした。
「とうとうおまえの待った、春がきました。今夜は、おまえに、お月さまを見せてあげよう。やっと氷が解けたのです。」と、母親はいって、子供をつれて水の面に浮かびました。
なんという、広い、未知の世界が、水の外にあったでしょう? 子供は、高い、雲切れのした空を見ました。