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もずせいばつ
鵙征伐
夢野 久作
「九州日報」1925(大正14)年10月7日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 804 字 · 2 页
お父さんの蛙が田圃へ虫とりに行ったまま帰って来ませんので、お神さんの蛙と子供の蛙が心配をして探しに行きましたら、かわいそうにお父さん蛙は鵙に捕えられて茅の刈り株に突き刺されて日干になって死んでいました。
これは鵙が冬食べ物がなくなった時食べようと思って仕舞って置いたのです。
母蛙と子蛙は抱き合って泣きました。泣く泣くお父さんのカラカラの死骸を荷ってつぶれた蓮の葉のお寺に担ぎ込んで、親類や友達蛙が寄ってたかってお念仏をしてお葬いを済ましました。
そこへ一匹の雀が通りかかって、お前達は何をしているかと尋ねました。蛙どもがわけを話しますと、雀は肩を怒らして申しました。
「大体、あの鵙という奴は高い処へ止まってキイキイ威張った憎い奴だ。よし俺が仇を取ってやるから泣くな泣くな」
と言って飛んで行きました。
雀は友達を大勢集めて評議をしましたが、やがて八方に飛び散って鳥さしを探しました。鳥さしが見つかると雀どもは大勢連れ立って鳥さしの前をチューチュー啼きながら飛び回りました。鳥さしは、止まったと思って近付くと、パッと逃げます。又近付くとパッと逃げる。こうして深いドブの処まで誘って来ますと、案の定鳥さしは夢中になってドブの中に落ちました。