轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
がこせんにん
鵞湖仙人
国枝 史郎
「ポケット」1926(大正15)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,555 字 · 22 页
捨てて置きます」
「お娘御のお命は?」
「可哀そうに、死にましょう」
「拙者、退治て進ぜよう」正雪は復も膝を進めた。
「いかがでござろう、褒美として、秘巻はお譲り下さるまいか」
老人はじっと考え込んだ。それから徐ろに口をひらいた。
「最早秘巻此わしには、殆ど必要が無いのでござる。何故と云うに既にわしは、秘巻の意味を知り尽したからで、そこで他人に譲りたく、人材を求めたのでござる。その結果四人を目付けました。第一が他ならぬご貴殿でござる。第二が山鹿素行殿、第三が熊沢蕃山殿、第四が保科正之侯。……で、湖畔で貴殿に会いその人物を験めそうものと、例の立泳ぎお目にかけました。が、貴殿には残念にも、心に不軌を蔵して居られる。天下を乱すに相違無い。然るに南宗派乾流は、そういう人物には有害なのでござる。で、貴殿には譲りたくござらぬ。とは云え悪霊を退治して、娘をお助け下さるとあっては、矢張り譲らねばなりますまい。よろしうござる、お譲りしましょう」
つと老人は立ち上り、隣の部屋へ這入って行った。持って来たのは一巻の巻物、恭しく額に押しあてたがやがて正雪の前へ置いた。
「術譲り! 襟を正されい」