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まあじゃんインチキものがたり
麻雀インチキ物語
海野 十三
「新青年」1930(昭和5)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,412 字 · 9 页
初等インチキというのを見廻すと、中村徳三郎氏の「麻雀防弊」に於て示されたような外国で行われる深刻極まりなきインチキに比較して、いかにもアッサリした、コソ泥的とも言え、また日本的(?)とも言えるものばかりである。実例について申し述べてみよう。
まず最も多いインチキは、何といっても、故意にまちがった牌を持ちながら和ってしまうことである。その和りは、極めて得点がすくないのを通例とし、多くは二十二、又は二十四である。こいつをやるのは西風戦、北風戦といったように、四人の面子がお互に、「ここで大きいものを作って他家よりリードしよう」と意気込んでいるときである。他家が三飜ものを三副露して或る種の牌が包となっているために場が緊張しているとか、又は自分でも一生懸命大きい役をガメクッているとか、兎に角三百符乃至満貫近いものが出来ようとしている場合に、一人の面子が「ハイッ和り、二十二」と和っちまう。この場合、他の連中は緊張の途中、思いもうけぬ方角からザブリと水を浴せかけられたようなもので、呆然してしまう。そして二十二で和った人の牌を検べもせず、二本棒を呉れちまう。「大きく和られないでヤレヤレ」