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マージャンさつじんじけん
麻雀殺人事件
海野 十三
「新青年」博文館、1931(昭和6)年5月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,337 字 · 33 页
その点で検事たちは帆村を慰めたのであった。そこへ、三人を探しに行った刑事たちがドヤドヤと帰って来た。
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その後の取調べは、翌日のおひる過ぎから同じ場所で始められた。
「松山の死体解剖の結果、自殺ではなく他殺であることが判りました。毒物は帆村さんの説のとおり、拇指から入ったもので、死因は心臓麻痺、毒物はストロファンツスらしいとのことで、すべて帆村さんの説と一致していました」
と河口警部が、最初に報告した。
「それでは私も御報告をして置きましょう」と帆村探偵が、いつに似ず元気のない口調で云った。「麻雀卓子の附近についていろいろと集めた資料を検査してみましたが、すこしも犯人の見当はつきませんでした。これは甚だ遺憾に思っとります。唯一つお目にかけて置きたいのは、この鋲の頭です(と、前夜卓子の脚のところから拾いあげた針のとれている鋲の頭を示しながら)これは犯行に関係のあるものなんです。ごらんなさい、この鋲の頭は非常に薄く擦りへらされています。これは故意にそうなされたもので、この鋲の頭に小さい穴があいていますが、この鋲を拇指の腹でグッと麻雀台に刺しこむと鋲の頭の肉が薄いために針が逆につきぬけて拇指をプスッと刺し貫く筈です。