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こくばんはどこからきたのか
黒板は何処から来たのか
小倉 金之助
「別冊文芸春秋」1947(昭和22)年10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,742 字 · 10 页
二
若シ此答數正シカラザルトキハ、更ニ又、他ノ生徒ノ答數ヲ書シテ、之ニ照準セシムベシ……」
何かあまりに形式的ではあるけれども、それは兎も角、まことに至れり尽せりの、模範的な説明振りではないか。黒板の使用が比較的短日月の間に広く普及したのも、決して偶然ではなかったと思う。
二
それなら黒板はアメリカで発明されたものなのか。否、それは多分一八一〇年代に、フランス人によってアメリカに伝えられたものなのである。アメリカの普通の学校では、独立戦争(一七七五―一七八三)前は勿論、独立後の数年間も、まだ石盤さえ使用されていなかった。生徒も教師も、書き物や算術計算を皆紙に書いていたのである。
ところでボストンの牧師メー(Samuel J. May)という人の伝記(一八六六)によると、彼はカトリック教徒のフランス人ブロシウス師(Francis Xavier Brosius)が、数学の学校で黒板を用いているのを、一八一三年にはじめて見た。それでメー師は自分の学校で黒板を使用しはじめた、とのことである。
しかしアメリカの初等学校に黒板の普及を見るに至ったのは、大体一八六〇年頃からであるといわれているが、そうすると、スコットは案外はやく、新しい黒板を日本に普及させたことになる。