轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
“しきけんはつどう”をかかざるのき
“指揮権発動”を書かざるの記
犬養 健
「文藝春秋」文藝春秋新社、1960(昭和35)年5月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,319 字 · 19 页
これはまた格別に熱心な青年で、果物籠を携えて一日のうちに二度も追いかけてやって来たのである。そして、
「あなたはいま指揮権の真相を原稿に書いていらっしゃるそうですが、それをぜひとも週刊新潮にいただきたいと思ってあがりました」
と言う。
「誰がそんなことを言ったのですか」
と聞いてみると、
「草野心平さんからつい昨日教わりました」
ということである。(これも事実無根だということが、あとで草野君の直話で分ったが)私は、
「なるほど草野君は昔南京の大使館で一緒に働いて以来の親友だが、このところかけ違って逢っていません。もしも彼が本気でそう思い込んでいるといけないから、さっそくこっちから手紙を出しておきましょう」
と答えた。実はあまり馬鹿馬鹿しいので草野君には手紙を出さなかったのだが、この若い記者はなかなか職務熱心で、あくまで喰い下がり、いっこうに引き下がろうとしない。とうとう私も業を煮やして、
「もしもそんな原稿を発表したら腹を切ってみせます」
といったところが、やっと納得して帰ってくれた。私は大野伴睦老でもいいそうなセリフが今の時代でもあんがい若い人に効き目のあることを知っておかしくなった。