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まるまるじゅう
○○獣
海野 十三
「ラヂオ子供のテキスト」日本放送出版協会、1937(昭和12)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,139 字 · 43 页
○○獣の再来
そいつは弱ったな」
敬二はこれまでの話を、手みじかに話してやった。それを聞いていたドン助は、
「いや、俺が慾ばりすぎて失敗したんだ。でもあの外国の女には第一番に話をしたんだから、あれは二十円の値打はあると思うよ。第二番以後は二円ずつ安くして、ニュースを売ってやったのだ。あれから皆で四、五十円も儲かったよ。だからつい呑みすぎちまったんだ。わるく思うなよ」あの出鱈目ニュースを、そんなに幾軒もの新聞に売ったと聞いて、敬二はドン助の心臓のつよさにおどろいた。
「へへえ、支配人が俺をとっちめるといってたかい。そいつは困ったな。あいつは柔道四段のゴロツキあがりだから、いま見つかりゃ肋骨の一本二本は折られると覚悟しなきゃならない。そいつは痛いし――」と腕をこまねいて、
「どうも弱った。仕方がない。夜になるまでここに隠れていよう」ドン助はごろりと音をたてて横になった。すると間もなく平和な鼾が聞えてきた。すっかりアルコールの擒となった彼の身体は、まだまだねむりをとらなければ足りないのであった。
○○獣の再来
恐ろしいビルディング崩壊が再び始まったのはその日の午後であった。