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まるまるじゅう
○○獣
海野 十三
「ラヂオ子供のテキスト」日本放送出版協会、1937(昭和12)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,139 字 · 43 页
よかったよかった」
と蟹寺博士はもみ手をしながら、そのまわりをぐるぐると歩きまわる。
警備の隊員も見物人も、ざわざわとざわめいたが、折角の○○獣も、セメントの壁に距てられて見えないのが物足りなさそうであった。
「博士。○○獣はセメントで固めたまま抛って置くのですか」
「うん、分っているよ、敬二君。こいつは用心をして扱わないと、飛んだことになるのだ。まあ儂のすることを見ているがよい」
蟹寺博士は、セメント詰めの○○獣をトラックの上に積ませた。そしてそのトラックは騒ぎを後に、東京ホテルの広場から走りだした。その後からは、幾十台の自動車がぞろぞろとつき従ってゆく。
やがてこのセメント詰めの○○獣は、帝都大学の構内に搬びこまれた。
蟹寺博士は先頭に立って、指図をしていた。まずX線研究室の扉がひらかれ、その中に○○獣を閉じこめたセメント柱が搬びこまれた。室内は直ちに暗室にされた。ジイジイとX線が器械から放射され、うつくしい蛍光が輝きだした。
「ああ、見えるぞ」
博士は叫んだ。蛍光板の中にぼんやりと二つの丸い球が見えだした。
後からついてきた人たちも、それっというので眼を瞠った。