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まるまるじゅう

○○獣

海野 十三

「ラヂオ子供のテキスト」日本放送出版協会、1937(昭和12)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,139 字 · 43 页

青空文庫

二つの怪球

「おおッ。あれは何だろう。――」土を跳ねとばして、ムックリと姿をあらわしたのは、まるで機械水雷のような大きな鋼鉄製らしい球であった。球の表面は、しきりにキラキラ光っていた。よく見るとそれは怪球の表面がゴム毯のようにすべすべしていないで、まるで鱗を重ねたように、小さい鉄片らしいものに蔽われ、それが息をするようにピクピク動くと、それに月の光が当ってキラキラ閃くのであった。その怪球はグルグルと、相当の速さで廻っていたが、その上に一つの漂う眼のようなものがあった。それは人間の目と同じに、思う方向へ動くのであった。例の薄赤い火光も、その眼のような穴から出ている光だったのである。

「何だろう。あれは機械なのだろうか。それとも生物なのだろうか」片唾をのんでいた敬二少年は、思わずこう呟いた。全く得態のしれない怪球であった。鋼鉄ばりらしく堅く見えるところは機械のようであり、そして蛇の腹のように息をするところは生物のようでもあった。

さあ、この怪球は、機械か生物か、一体どっちなんだろう?

二つの怪球

怪球は、敬二少年の愕きを余所に、ずんずん地面の土下から匍いあがってきた。