轻松读懂日语经典作品
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ああぎょくはいにはなうけて
ああ玉杯に花うけて
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1927(昭和2)年5月号~1928(昭和3)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 126,617 字 · 250 页
父の不正! 校長の転任! 学友の反感! 数えきたればすべての非はわれにある。
「巌、どこへいってたの?」
母は心配そうにかれの室をのぞいた。巌は答えなかった。
「おなかがすいたろう。ご飯を食べない?」
「ほしくありません」
「火傷がなおらないうちに外へ出歩いてはいけないよ、おや、ひたいをどうしたんです」
「なんでもありません」
「また喧嘩かえ」
「あちらへいっててください」と巌はかみつくようにいった。
「なにをそんなにおこってるんです」
母はきっと目をすえた。その目には不安の色が浮かび、口元には慈愛が満ちている。
「なんでもいいです」
「なにか気にさわることがあるならおいいなさい」
「あちらへいってくださいというに」
母はしおしおとでていった。巌は起きあがって母の後ろ姿を見やった。なんともいいようのない悲しみが一ぱいになる。お母さんにはあんな乱暴な言葉を使うんじゃなかったという後悔がむらむらとでてくる。
「どうしようか」
実際かれは進退にまようた。いままで神のごとく尊敬していた父は悪人なのだ。この失望はかれの単純な自尊心を谷底へ突き落としてしまった。かれにはまったく光がなくなった。