轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ああぎょくはいにはなうけて

ああ玉杯に花うけて

佐藤 紅緑

「少年倶楽部」1927(昭和2)年5月号~1928(昭和3)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 126,617 字 · 250 页

青空文庫

手塚のできばえはべっしてすばらしかった、かれはどんなゴロでも完全につかんだ、かれは頭上高き球をジャンプしてとった、左側に打たれた難球を転んでつかんだ、つかむやいなや二塁に送った。その機敏さ、洒脱さはさながら軽業師のごとく見物人を酔わした。

「手塚! 手塚!」

の声が鳴りわたった。ちょうどそのとき黙々塾の一隊が入場した。

「きたきたきた」

見物人は立ちあがってその方を見やった、同時に「わあッ」という笑声が一度に起こった。

見よ! 黙々塾の一隊! それはマークの着いた帽子もなく揃いのユニフォームもない、かれらは一様にてぬぐいで鉢巻きをしていた、かれらのきたシャツにはメリヤスもあればねずみ色に古びたフランネルもあり、腕のないじゅばんもあった、かれらは大抵さるまたの上にへこ帯をきりきりと巻き、結び玉を後ろへたれていた、かれらのはいてるのは車夫のゴム足袋もあれば兵隊の古靴もある。九人はことごとくちがった服装、その先頭にコーチャーの安場は七輪のような黒い顔をしてこけ色になった一高の制服制帽で堂々と歩いてくる。

いずれを見てもそれはいかにもみじめな一隊であった、かの花やかな浦中と対照してこれは何というきたならしい選手達だろう、見物人は戦わぬうちに勝敗を知った。