轻松读懂日语经典作品
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ああぎょくはいにはなうけて
ああ玉杯に花うけて
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1927(昭和2)年5月号~1928(昭和3)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 126,617 字 · 250 页
「いきましょう」と新ちゃんは文子に近づいていった。
「私の家へいってくださる?」
「ああおよりするわ、でもなにか食べてからにしましょうよ」
「なにを食べるの?」
「私ね、おしるこを食べたいわ、それともチャンにしましょうか」
「チャンてなあに」
「支那料理よ」
「私食べたことはないわ」
「おいしいわ」
文子は学校で友達から支那料理のおいしいことを聞いていた。どんなものか食べてみたいと母にいったとき、母はそんなものはいけませんと拒絶した。
「だが食べてみたい」
好奇心が動いた。
「でも私お金が……」
「私持ってるからいいわ」
「いけない」と文子は猛然と思い返した、母に禁ぜられたものを食べること、他人のご馳走になること、これはつつしまねばならぬ。
「私叱られるから」
「叱られる?」
新ちゃんはにやにやとわらったがやがてまたいった。
「じゃよしましょうね」
ふたりは活動写真館の前へ出た、日曜のこととて館前は楽隊の音にぎやかに五色の旗がひるがえっている。新ちゃんは立ちどまった。
「はいってみましょうか、私切符があるわ」
「ああちょっとだけね」
文子はこのうえ反対ができなかった、かの女は五、六度女中や店の者と共にここへきたことがあるのだ。