轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ああぎょくはいにはなうけて

ああ玉杯に花うけて

佐藤 紅緑

「少年倶楽部」1927(昭和2)年5月号~1928(昭和3)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 126,617 字 · 250 页

青空文庫

わるるばかりの拍手に送られて手塚は壇をおりた。かれの左右から校友がかわりがわりに握手するやら肩を打つやらした。手塚は揚々として席についた。

「反対!」と叫んだものがある。人々はその方を見ると師範学校の野淵であった。野淵というのは模範生と称せられている青年で、漢文や英語に長じその学問の豊かな点において先生達も舌を巻いておそれている。かれは底力のある声量と悠然たる態度でまずこういった。

「ただいまの弁士の新知識を尊敬するとともにわが輩はその論旨に大なる疑いをはさまねばならないことを遺憾に思います、弁士は英雄不必要を唱えました。英雄の対象は奴隷であるといいました。偶像を破壊して民衆的にならねばならぬといいました。はたしてそうでしょうか、ああはたして然るか」

語調は一変して大石急阪を下る勢いもって進行した。

「もしこの世に英雄なかりせば人間はいかにみじめなものであろう、古人は桜を花の王と称した、世の中に絶えて桜のなかりせば人の心やのどけからましと詠じた、吾人は野に遊び山に遊ぶ、そこに桜を見る、一抹のかすみの中にあるいは懸崖千仭の上にあるいは緑圃黄隴のほとりにあるいは勿来の関にあるいは吉野の旧跡に、古来幾億万人、春の桜の花を愛でて大自然の摂理に感謝したのである、もし桜がなかったらどうであろう、春風長堤をふけども落花に