轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あとがき(『みやもとゆりこせんしゅう』だいごかん)

あとがき(『宮本百合子選集』第五巻)

宮本 百合子

「宮本百合子選集 第五巻」安芸書房、1948(昭和23)年2月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,313 字 · 7 页

青空文庫

宮本は巣鴨拘置所で拘禁生活の六年目、わたしは執筆を禁止されていた年に。父母と、こういう状況の下に死別した人々は、その頃の日本にわたしたちばかりではなかった。拘禁生活をさせられていた人々ばかりでなく、どっさりの人は戦地におくられて、通信の自由でなかった家郷の愛するものの生死からひきはなされて、自分たちの生命の明日を知らされなかった。

きょう読みかえしてみると、日本の戦争進行の程度につれて、わたしの文章はふくみ声になって来ている。云いたいこと、表現すべき言葉がぼかされたり、暗示にとどまったり、省略されたりしている。「鈍・根・録」の冒頭の文章では警察と留置されていた自分の関係がぼやかされていて、きょうの読者の理解には不便である。「わが父」のはじめも、父の葬儀のため市ヶ谷刑務所から仮出獄したわたしが再び刑務所に戻って、裸にされて青い着物を着たときの事情が、わかりにくくかかれている。同じこの理由から、前巻に収められている「突堤」のはじまりの文章も分りにくい。当時は、そういうことをあからさまに書くという心持そのものが抗議をあらわすものとされていて、治安維持法の対象とされたのだった。