轻松读懂日语经典作品
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あなたもわたしも
あなたも私も
久生 十蘭
「毎日新聞」1954(昭和29)年10月29日~1955(昭和30)年3月24日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,405 字 · 263 页
「きょうは、おふたりの誕生日のお祝い?」
「それもあるが、その前に、ちょっとお話を」
愛一郎と暁子に、あなたたちは庭で遊んでいなさいと言い、先に立って、サト子を奥の客間へ連れて行った。
「お勤めのほうは、どんなぐあいです?」
ソファに掛けるなり、秋川がたずねた。
「資源庁の外局なんかとちがって、みな、よく勉強するそうじゃないですか」
「技官の指導で、雇員だけのグループでウラニウム資源の研究会のようなものをやっています。……でも、どうして、そんなこと、ごぞんじ?」
「あなたをあそこへ入れたのは、われわれの仕業だったんです」
祖父の死や、神月の自殺や、偽ドルのかかりあい、質の悪い外国人に国外へ連れだされかけたゴタゴタのあと、麻布の家の夢のような贅沢な生活からほうりだされてから、地道な職業につきたい思いで、鉱山保安局にいる叔父のところへあらためて就職の依頼に行ったら、あっさりと川崎の鉱山調査研究所の雇員にしてくれた。叔父の紹介だとばかり思っていたが、こんなところにも、秋川の陰の力が働いていたのらしい。
「あなたのお話を伺っていると、あたしは将棋の歩で、上手な将棋差しの手にかかって、いいように動かされているみたい」