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あるひのせんせいとこども
ある日の先生と子供
小川 未明
「童話」1924(大正13)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,639 字 · 8 页
夜の中は、寒いので、毎晩、やまがらのかごには、上からふろしきをかけてやりました。そして、学校へゆく時分に、そのふろしきを取ってやったのです。
その日も、吉雄は、いつものごとくふろしきを除けて、かごを出してやりました。そして、餌をやり、水を換えてやってから、鳥かごを、戸口の柱にかけてやりました。
太陽が、いちばん早く、ここにかけてある鳥かごにさしたからであります。けれども、あまり寒いので、鳥は、すくんで、体をふくらましていました。やがて、太陽が、かごの上をさす時分には、元気を出して、あちらに止まり、こちらに止まって、そして、もんどり打ってよくさえずるでありましょうが、いまは、そんなようすも見られませんでした。
しかし、鳥がそうする時分は、吉雄は、学校へいってしまって、教室にはいって、先生から、お修身や、算術を教わっているころなのでありました。
どこか、遠いところで、凧のうなる音が聞こえていました。そして、風が、すさまじく、すぎの木の頂を吹いています。その風は、また、かごの中のやまがらの頭の細い小さな毛をも波立てました。すると、やまがらは、ますますまりのように、体をふくらませたのであります。