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あるひのせんせいとこども

ある日の先生と子供

小川 未明

「童話」1924(大正13)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,639 字 · 8 页

青空文庫

」と、受け持ちの先生はいわれました。

すると、このとき、受け持ちの先生の隣に、腰をかけていた、やさしそうな、やはり男の先生がありました。

吉雄は、その先生をなんという先生だか知りませんでした。

やさしそうな先生は吉雄の顔を見て、笑っていられました。そして、

「やまがらにお湯をやったんですか? どうしてお湯をやったのです。」と聞かれました。

「あまり、寒いものですから、お湯を飲んで体があたたかになるように、やったのです。」と、吉雄はきまり悪げに答えました。

「おもしろい。」といって、やさしそうな先生は、受け持ちの先生と顔を合わして笑われました。吉雄には、どうしておもしろいのか、その意味がわかりませんでした。

「小鳥は、人間とちがって、お湯を飲んだからって、体があたたまるものではない。」と、受け持ちの先生はいわれました。

吉雄は、どうして、人間と小鳥とは、そう異うのだろう。やはりその意味がわかりませんでした。

このとき、やさしそうな先生は、吉雄の方を向いて、

「小鳥は、山の中や、谷や、林の間にすんでいるのです。そして、どんな寒いときでも、外に眠っています。生まれたときから、お湯を飲むように育てられてはいません。