轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いとこどうし

いとこ同志

宮本 百合子

「女学生」1920(大正9)年5月創刊号、6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,760 字 · 16 页

青空文庫

芳子さんは、はっきりと、

「決して致しません」

と云いました。

「そうでしょう。なさらないでしょう。けれどもよくお気をおつけなさい」

これだけのお話で其時はすんでしまいました。

けれども、それから後、芳子さんには訳の分らない事が沢山起りました。

時々、友子さんは、何か折があると、妙な当こすりのような事を云って見たり、一緒に遊んでいた政子さんをいきなり、

「貴女此方へいらっしゃいね、私共と遊びましょうよ」

と云いながら、別な方へ連れて行ったりさえしました。

政子さんは、そんな時後から独りで考えると、真個にお気の毒な事をしてしまった、芳子さんはさぞ淋しかったであろうと思うのですけれども、皆がそうして呉れる時にきっぱりと、

「皆一緒に遊びましょう、芳子さんも一緒に」

と云う丈の勇気は、政子さんにありませんでした。

学校でさえそう云わなかったのですから、家へ帰ればなおそんな事を云い出す時が見付かりません。友子さんや、友子さんのお仲よしの人々が多勢で来ると、政子さんは自分の思う通りには何一つ出来ない心持に成ってしまうのです。

政子さんが思った通り、芳子さんは勿論淋しゅうございました。