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いとこどうし
いとこ同志
宮本 百合子
「女学生」1920(大正9)年5月創刊号、6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,760 字 · 16 页
「だからあんなに御威張りになるの、おおいやだホホホホ」
友子さんは、政子さんがもう一遍喫驚して思わず目を大きくしたほど、いやな笑い方をしました。
「あの方は、私、級中で一番嫌いだわ、此の間もね、お裁縫室の傍にね、ホラ南天の木があるでしょう、彼処で種々お話をしていた時、私が何心なく、芳子さんにね、貴女は何故此の学校へお入りに成ったのって伺ったのよ。そうしたらね、あの方ったら」
友子さんは、チラリと四辺を見廻しました。
「偉い学者になりたいからなんですって! 学者ですって政子さん、ホホホホだから私ね、女の学者なんてあるものですか、可笑しいわ、って云って上げたのよ。そうしたら芳子さんたら急に真面目くさって、其じゃあ貴女はって仰云るの」
「まあ、貴女何と仰云ったの」
「私? 大きな声で云って上げたわ、私はね、此の学校は好い着物を着て来ても叱られないからよ、って!」
「そうしたら?」
「芳子さんたらすっかり怒っておしまいになった事よ。あの方は全く変人なのね、学校は、着物を見せに来る処じゃあない、勉強する所です、って」
政子さんは、芳子さんの方が正しいと思いました。真個に学校は、呉服屋の広告に使われる処ではございません。