轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おおかみとひと

おおかみと人

小川 未明

「こども雑誌」1920(大正9)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,224 字 · 9 页

青空文庫

なぜ、もっと早く帰らなかったろう。そう思うと酒を飲んだということを後悔しました。みなといっしょに家へ帰っていたら、いまごろは、安楽にいろりのそばで話をしていられるのだろうと思いました。けれど、いくら後悔しても、なんの役にもたちませんでした。おおかみは、だんだん彼に迫ってきました。

与助は、心の中で神さまや仏さまに、どうか命を助けてくださるようにと祈りはじめました。すると、おおかみは、もうすぐそこまで近づいて、雪の上を踏み砕く足音すら聞こえたのであります。

与助は、自分の命はないものだとあきらめました。そして、彼は振り向いて、迫ってきたおおかみに向かっていいました。

「私は死んでもいいが、家には、妻も子供もある。もしおまえが私の命を助けてくれたら、おまえの欲しいものはなんでもやる。家には、にわとりが五羽も六羽もいる。おまえが私を食べてしまわないなら、にわとりを三羽おまえにやるから、どうか私の命を助けてもらいたい。」と頼みました。

与助がこういいますと、おおかみは、ぴたりと雪の上に歩みを止めました。そして、しばらくじっとして動きませんでした。与助は、いつか猟人のおじいさんが話したことを思い出して、おおかみが情けを感じてくれたのではないかと考えました。